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モーニング娘。6期メンバー亀井絵里さんを中心にハロプロを応援するブログです。ネタがない時は管理人の日記になってしまう可能性もありますが、マイペースに、かつ真剣に、亀の歩みのごとく更新して参ります。
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この季節にしては少し肌寒さを感じる5月5日。
僕は久しぶりに中野サンプラザへと足を運んだ。

ちょうど、ドリームモーニング娘。の昼公演が終わったばかりらしい。
色とりどりのTシャツを身にまとった人々が白亜の建物から続々と吐き出されてくる。
それを横目で見ながら、僕は何とはなしに懐かしい思いにとらわれていた。

自分も、ほんの少し前までは、コンサートのたびにヲタTを身にまとっていたのだ。
今日は一公演だけ参戦するものの、やや動きやすい普段着姿。
かつて、初めてヲタTを着た時には、若干の迷いと気恥ずかしさとがあった。
一度は川を渡ったものの、再び此岸に戻ってきた思いがする。

思えば、永遠の一推しであり、自分にとって最後のアイドルである「えりりん」こと亀井絵里さんが昨年12月15日にモーニング娘。を卒業してから、早くも5カ月近くが経とうとしていた。
この間、細々と舞台などに顔を出してはいたが、事実上のヲタ卒状態だった。
ハロプロの情報に一切接さない日が1、2週間続くことも珍しくなかった。

今回の公演にえりりんはいない。
現在は休養中で、事務所との契約は既に切れている。
仕事をしないのに給与をもらうのは申し訳ないという理由で、彼女自身が望んだことだ。

なのに、自分はどうしてここにいるのだろう?
チケットを取る時から自問自答していた。

理由はひとつしかない。
一時より熱が下がったとはいえ、僕は結局、14年近く見続けている娘。が好きなのだ。
それに、裕ちゃんやミキティ、マコといった愛着のあるメンバーもまだいる。

同じ曲を違う顔ぶれが歌い継ぐのが娘。のならわし。
パートも連綿と受け継がれていく。

今回のコンサートは、あえて時計の針を戻す試みだ。
過去と現在が交錯することに対しては、期待も不安もある。
「あの頃」の熱狂に身を浸すことができるのか。
それとも、時間という風雪の厳しさを思い知ることになるのか。

会場近くでは、フジテレビの軽部アナがクルーを引き連れ、ファンを取材していた。
そうか、この公演はこんなにも注目されているのかと、今さらながら驚いた。

午後5時の開場とほぼ同時にサンプラザの中に入った。
入り口の近くでは、マコ、圭ちゃん、かおりんの3人が震災支援の募金を募っている。
マコの募金箱に寸志を投げ込みながら、「こないだのお芝居、良かったよ」と声を掛けた。
満面の笑顔が返ってくると、思わずほんわかした気分になった。

席は2階の後方。
悪い席ではあるが、会場全体の雰囲気が分かるのは利点である。
客席をざっと見た感じでは、ライトなファンも多いようだ。

開演前には、アップフロント版のWe Are The Worldである「愛は勝つ」のクリップが流れた。
べーやん、森高千里さんらの大御所のほか、シャ乱Qやハロプロメンバーが次々と登場する。
曲に合わせ、客席で自然発生的に手拍子が起きたのが印象的だ。
青春時代にこの曲と出会った、僕と同世代の観客が多いのかもしれない。
僕も被災地から帰ってきたばかり。
久しぶりにハロプロの会場の暖かさを感じ、胸がじーんと震えた。

午後6時に公演はスタート。
セットリストの一曲目は、あまりにも有名な曲だった。

「LOVEマシーン」。
言わずと知れた、モーニング娘。の代名詞的なナンバーだ。
パート割は可能な限りオリメンに寄せている。
「みだら」を歌うのは、もちろん初代担当の中澤姐さん。
かおりん、よっすぃ、小春、ジュンジュンが受け継いできたが、やはり裕ちゃんの年季は格別だ。
歌声でありながら、まるで吐息のように、情感を伴って聴覚に染み入る。

続くのは「抱いてHOLD ON ME!」。
コンサートで聞くのは2008年の春ツアー、シングル大全集以来である。
僕が大学4年の時にヒットしたこの曲は、歌謡曲のテイストとラップの絶妙のバランスが肝。
初めてオリコン1位を獲得しただけに、オールドファンにとっては思い出深い曲だ。
僕が初めて買った娘。のCDもこの曲だった。
わざわざオリコン集計店まで行って、今はない8センチ径のCDを購入したものだ。

何はともあれ、出だしに初期のヒット曲を2つぶつけてきたのは心憎い。
娘。のことをよく知らない人でも、両曲はどこかで一度は耳にしたことがあるはずだ。

お次はオリジナル曲の「恋人のような顔をして」。
正統派のバラードで、なかなか聞きやすい。
しかし、ここはいっそのこと、古いB面を持ってきても良かったような気がする。

メンバーがいったんはけ、オープニングVが流れると「女子かしまし物語」へ。
歌詞はドリームモーニング娘。仕様に変えられていた。
「どんなに若い子入っても このポジションならあげない 守り抜く覚悟♪」
中澤姐さんのパートの後に、小春が「誰もほしがってないって」と突っ込む流れが印象的だった。
遊び心に満ちた数え歌風のナンバーは、メンバーのキャラが立っている娘。ならではだ。
振り付けが変わっていたので、対応できなかったことが悔やまれる。

お次は、これまた懐かしい「サマーナイトタウン」。
ジャジーなピアノ風の伴奏がかもし出す、メロウな世界観がたまらない。

梨華ちゃんがセリフを担当する「シャボン玉」の後は、若手5人のMCだ。
進行役はマコ。
トークのテーマは、究極の二者択一だった。
お題は「ゴキブリVSおばけ」で、トイレに出てきたら嫌なものは。
ゴキブリを選んだマコに対し、梨華ちゃん、よっすい、ミキティ、小春はおばけを選択した。

仲間はずれになったことを不服がるマコ。
「(おばけは)引き込まれそう!」
小春がまだまだ子供っぽい指摘をする。

「ゴキブリは大丈夫でしょ?」
同意を求める梨華ちゃんに、ミキティは「そうでもない」とつれない答え。
それを聞いた客席からは、一斉にエーイングが飛んだ。
「それは何の『え~!?』なの?」
思わず苦笑いを浮かべるミキティ
「バシって(叩くのを)やってそうってこと?」と客席に問いかける。
小春が面白そうに足で踏み潰す仕草をすると、ミキティは「素足ではやらないよ!」と釘を刺した。
「トイレの神様がいるくらいだからさ~」とマコが反論するが、賛同は広がらない。

「でもさ、よっちゃん、お化け屋敷は平気じゃない?」
思い出したように尋ねるミキティに、よっすぃは「だって、あれ人じゃん」と一言。
いかにも彼女らしいサバサバとした物言いに、会場は爆笑に包まれた。
「前にロケでお化け屋敷に入って、お化けに追いかけられたことがあったのね。その時、よっちゃんは逃げながら『ほら、あの人も一生懸命なんだよ』って言ってたの(笑)」
ミキティがいかにも楽しそうに笑いながら思い出話をする。

「でもさ~、トイレにゴキブリがいたらどうすんの?びっくりするでしょ?」
マコが最後の抵抗を試みた。
「ゴキブリは、人間が変なふうに動くから反応するのよ。お友達だと思えば・・・」
梨華ちゃんのよく分からない返しに、会場からはひときわ大きいエーイング。
同じチームにいた他の3人も、「えんがちょ」とばかりに後ずさる。
嫌がるマコを満面の笑顔で追いかける梨華ちゃん。
その姿には往年の極寒キャラが健在だった。

若手のMCの後は、ベテラン5人による「モーニングコーヒー」。
爽やかなユニゾンが印象的な、娘。のメジャーデビュー曲である。
途中でPPPHとともに入るなっちコールの大きさは鳥肌ものだ。
僕も昔を思い出しながらコールを繰り返した。

曲の終了後は、すぐに年長組のMCへ。
「なっちコール、すごかったねえ」と目を丸くする矢口。
「いやホント、あんなコールはなっちくらいだよね」
中澤姐さんの言葉に客席が反応し、盛大な裕子コールが起こる。
最初は気持ち良さそうに煽っていたが、最後はややキレ気味に「歌わないわよ!」。
ぶっきらぼうに見えるが、この人がこういう行動をする時は、大抵が照れ隠しなのだ。

トークのテーマは「ハワイ」。
何度も仕事で訪れている土地だけに、話の種が尽きない様子だった。
「私は飛行機の中でビール飲みすぎて、ハワイに着いた時はもうベロンベロン」
懐かしそうに語る裕ちゃん。
これは2000年の特番収録時のエピソードだったと記憶している。
「もう飲んでたんだっけ?」
問いかける矢口に向かい、裕ちゃんは「大人だったから!」と親指を立てた。

「スタッフさんがおいしいステーキの店に連れて行ってくれるはずだったんだけど、タコスのお店があって、みんなで5個くらい食べちゃったんだよね。圭ちゃんは8個くらい食べたんじゃない?」
かおりんにバラされて恥ずかしそうな圭ちゃんだったが、ふと思い出したことがあった。
「あっ!その店で、誰かの頭に鳥のフンが落ちてこなかった?」
「それ圭ちゃんじゃない?」
「ハワイの話からどうして鳥のフンの話になるのよ~」
みんなに一斉に切り返されて、ますますへこむ圭ちゃんであった。
いじられキャラをやらせたら、歴代のハロメンにこの人の右に出る者はいないだろう。

MCの後は、若手5人による「色っぽいじれったい」。
えりりんのパートは梨華ちゃんが担当していた。
美少女、寒い、幸薄と、何かとキャラがかぶる2人である。

その次はオリジナル曲の「あっと驚く未来がやってくる! 」。
アップテンポなメロディが耳によく馴染む。
歌詞を見ると、彼女たち自身のことを歌っているように感じるのは気のせいだろうか。

「ハピサマ」「恋ダン」と黄金期を彩ったナンバーが続き、ステージにはなっちと矢口の2人。
「それにしても、中澤姐さんって本当にすごいね!」と驚く矢口。
確かに今次公演では、若手に混じっても遜色ない動きを見せている。
くびれもくっきりしており、スタイルの良さも折り紙つき。
この公演に向け、コンディションを丹念に整えてきたことがうかがえた。
無論、DHCのイメージキャラとしてダイエットに励んだことも大いに関係しているだろう。
「今年でもう38歳だもんね・・・って、言っちゃった(笑)」
口にしてから、怖がる素振りをするなっち。
「もう尊敬するしかないよね。自分は10年後、あんな風にやれてるかなあって」
今はステージ上にいない先輩に憧れの眼差しを注ぐ矢口。
「なっちは10年後、どうなってたい?」
瞬時に、迷いのない声が返ってきた。
「なっち」
けだし名言とばかりに、会場からは歓声が飛ぶ。
それを受けて少し恥ずかしそうにしている姿が可愛らしい。
やはり、この人はナチュラルボーン・アイドルである。

この次は、意外にも「みかん」。
比較的最近の曲にかおりん、裕ちゃんが参加しているごった煮感がいい。
メンバーを入れ替えて「浪漫」を歌った後は、お約束のメドレーへ。
「Do it! Now」「未来の扉」「Say Yeah!~もっとミラクルナイト」「Happy Night」というラインナップだ。
ハピナイが飛び抜けて好きなのだが、ここは久しぶりに聞くミラクルナイトに焦点を当てたい。
少しくどいテクノ風の旋律に、韻を踏んだ言葉遊びの妙が生きるこのナンバー。
かつて辻加護が担当したセリフは、同期のよっすぃと梨華ちゃんが引き継いだ。
「我々は完全に楽しんでいる!」というパートは問答無用で盛り上がる。

コンサートのフィナーレに向かい、畳み掛けるように鉄板の名曲が3つ続く。
「そうだ!We're ALIVE」「ザ☆ピ~ス!」「恋愛レボリューション21」 。
恋レボを踊り終わる頃には、もうすっかりお腹いっぱいになっていた。

アンコールの後は「I WISH」。
おそらく、アンコールの一曲目はこれになるのではないかと予想していた。
しっとりした曲調が一転し、開放感があふれるサビへ。
YO!YO!と合いの手を入れると、まるで自分も曲に参加しているような気持ちになる。
「人生って素晴らしい」というストレートな歌詞は、一歩間違えば気恥ずかしい。
そこに何の衒いも感じないのは、彼女らの生き方がどこまでも前向きだからだろうか。

いよいよ、コンサートも終わりだ。
一列に並んだメンバーたちが、順番にあいさつをしていく。

息を呑むほど端正な顔立ちのよっすい。
普段は少しおちゃらけているが、今日はいつになく真剣な面持ちだ。
目元に力があり、その表情に視線が吸い込まれる。

「私たちは歳をとるし、(客席の)みんなも歳をとるじゃないですか。曲も一緒に歳をとって、その間に磨かれていくんだと思いました。モーニングコーヒーのなっちコールが、いい意味で重くなってる。曲が磨かれていくのと同じように、私も自分を磨いていかなくちゃと思います」

このコンサートの意味合いを簡潔にまとめた抜群のコメントだった。
会場からも、感嘆の声と同時に拍手が巻き起こる。

「ハッピー!」
2222の客席に、ど派手なピンク色の声が響き渡る。
声の主はもちろん梨華ちゃん。
かなり久しぶりに見たのだが、独特のキャラクターはやはり健在だった。
体中からあふれ出る女の子パワーには圧倒されるほかない。
「あなたと、あなたと、あなたと・・・、あ、ごめんなさい。あなただけの!石川梨華でした♪」
モニターを存分に使って小芝居をかます様子も堂に入っていた。

「今はバラエティに出てるけど、まだまだアイドルをやりたい」と矢口。
かおりんは客席に向かい、「ドリームモーニング娘」と言った後に、両手で丸をつくってほしいと呼びかける。彼女の声に合わせて、会場中に無数の輪が咲き乱れた。
それを見渡して満足そうな表情を浮かべるかおりん。

裕ちゃんは、ステージと客席の一体感を見て、涙腺が崩壊していた。
一歩前に出たものの、感極まって言葉が出てこない。
会場からは割れんばかりの「裕子」コール。
やっと絞り出したのは「幸せすぎる・・・」という言葉だった。
「中野サンプラザ、2日間4公演、がんばりました!!」
マイクを握って、そう絶叫する。

裕ちゃんはソロ歌手の志向が強い。
グループで行動するのは苦手だと、いろいろなところでこぼしてもいた。
安定したOLの身分を捨て、ASAYANで芸能界の門を叩いてからもう14年。
裕ちゃんが今いる場所は、その頃に目指した場所とは少し違っているのかもしれない。
それでも、彼女の姿には、ステージで歌えることへの喜びが満ちていた。

「ちょうど8年前の今日、モーニング娘。を卒業しました。あれから8年経っても、こんなにケメ子汁を飛ばすことになるとは思ってなかったです」と圭ちゃん。
この後は、カメラに向かって投げキッスをすると「おえ~!」とメンバー全員が崩れ落ちる、新喜劇ばりのお約束シーンが展開された。

後を受けて「お口直しに♪」と投げキッスをしたのは最年少の小春。
「最初は浮いちゃうんじゃないかと思ったんですけど、ファンの皆さんも、メンバーも、みんな優しくてすっごく楽しかったです!」

「今日は皆さんの声援に包まれて、本当に幸せなライブになりました!」
マコの声はとても歯切れがよく、言葉の一つひとつがいきいきと耳に届く。
舞台女優として着実にキャリアを重ねていることの証左だろう。

「かしましの時に『ミキティ』って(コールが入る)ところがあるんですが、何だか最近は『美貴様』って呼ぶ人が増えてるような気がします。久しくそう呼ばれてないんですが」
そう言って苦笑いを浮かべるのはミキティ。
歌って踊るのは久しぶりのはずだが、相変わらずポテンシャルが高い。
小春が何事か思いついたように、彼女に耳打ちをする。
「はあ?今、ふんわりニュービーズって言えって言われたんですけど、違うから。(自分がCMをしているのは)ニュービーズネオだし」
ミキティは昔、ファンにもそれと分かるほど不機嫌な顔をすることがあった。
しかし、今回の公演では、随分と表情が柔和になったような気がする。
いろいろな経緯があって、いろいろな経験をしたが、今は本当に幸せなのだろう。

最後はなっち。
「今日は、一人一人の顔が本当によく見えて、笑顔が伝わってきました!この笑顔が日本中に伝わっていけばいいなと思っています。ドリームモーニング娘。は、これからもパワフルに頑張ります!」
震災という言葉を使わずに、暗い世相に対する自分たちのメッセージを伝えた。
さすがにトリを任されるだけのことはある。

ラストの曲は「青空がいつまでも続くような未来であれ!」。
この選曲はやや意外。
しかし、個人的にはとても好きなので、ここで聴けたのは嬉しかった。
もう随分と前の曲のように感じるが、娘。が初めてこれを歌った時、ステージ上にいる10人のうち6人は既に卒業していたことにも驚かされる。
サビでにこやかに手を振るメンバーたち。
客席のシンクロぶりも完璧だ。
最後の最後で、再び娘。の歴史の熟成ぶりを見せ付けられた思いがする。

メドレーを抜くと全18曲のセットリスト。
古参兵でも、比較的最近ファンになった人でも楽しめる、いい内容だった。
事前に情報を仕入れてこなかったが、思ったより体も動いた。
三つ子の魂百まで、といったところだろうか。

上気した人の流れに混じり、外に出る。
時刻は8時少しすぎ。
夜の帳が下りた空を冷たい風がわたっていた。

110505

帰り際に中野サンプラザを見上げる。
薄闇にぽっかりと浮かぶ白亜の威容。
ふと、I WISHのPVに出てくる、水晶のお城を思い出した。

それはとてもきれいな、まるで童話のようなPVだ。
同じ街で、それぞれ違う仕事をしていたメンバーたちが顔を合わせる。
遥か遠く、彼女らの視線の先には、夜空にきらきらと輝く水晶のお城が聳えている。
平凡な街を飛び出し、みんなで力を合わせてあそこまでたどり着こう。
彼女らの姿には清清しいまでの決意が満ち、凛としていた。
このPVは、夢を追う少女たち、つまり娘。のメタファーだと思う。

しかし、彼女らが水晶のお城に着いたのかどうかは描かれていない。
そこがどんな場所なのかも明示されていない。
あくまでも、お城を目指す場面でPVは終わっている。
それは「目指す」こと自体が目的だからなのではないか。

モーニング娘。という物語には終わりがない。
読み手がページを繰るのを止めない限り、ずっと続いていく。
芸能界にいる以上、彼女らは見果てぬ城を目指して旅を重ねるさだめだ。
娘。という集団を卒業してからも、ずっと、ずっと。
秋葉原に新しいお城ができ、盛大にライトアップされて耳目を集めているからといって、今さら営みを変えることなどできようはずはなかった。

今日のステージにいなかった子たちもまた、かつては水晶のお城を目指していた。
中には旅の目的を見失い、列から外れた子もいた。
普通の女の子に戻ることを望んだ福田明日香のように。
旅のルートを全面的に見直した子もいた。
他のレーベルに移籍した後藤真希のように。
旅の途中で目的地を変えた子もいた。
アナウンサーとなった紺野あさ美のように。

そして、旅の途中で傷つき、倒れる子もいた。
持病と8年間闘い続け、今は体を癒すことに専念している亀井絵里のように。

えりりんに会えなかったことは残念だ。
でも、会えないという幸せもまた、あるのではないかと思う。
命と縁があれば、そのうちどこかで会うこともあるかもしれない。

今日も、彼女はどこかでいっぱい笑っているだろう。
そして、亀のような歩みかもしれないが、前に向かって歩いているだろう。
えりりんは最後のツアー日記で、ファンにそう約束してくれた。
それだけで僕には十分だった。

僕は踵を返し、夜の中野へと向かって歩き出した。
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2011/05/08(日) 13:27:01 | 自分探しの旅
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